ドル・円は底堅い値動きか、日本の早期総選挙絡みの思惑で円売り基調に

[今日の海外市場]

 今日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想したい。米国の年内追加利上げ観測の後退でドル買いは慎重となる見通し。ただ、安倍晋三首相が10月にかけて解散・総選挙に踏み切る意向とみられ、アベノミクス長期化への思惑などから円売りに振れやすい地合いとなりそうだ。
 15日に発表された米経済指標のうち、8月小売売上高は前月比-0.2%と予想を下振れ、マイナス圏に落ち込んだ。8月鉱工業生産も前月比-0.9%と、7カ月ぶりのマイナス圏に転落。9月のNY連銀製造業景気指数やミシガン大学消費者信頼感指数は予想を上回ったものの、同日のNY市場では小売売上高の低調な内容が嫌気され、連邦準備制度理事会(FRB)の年内追加利上げ観測は後退した。ただ、週明けのアジア市場では、東京市場が「敬老の日」の休場で薄商いとなるなか、米経済指標を手がかりとしたドル売りは一巡し、111円台で推移した。
 今晩のドル・円は引き続き底堅い展開となる見通し。安倍首相は本日午前、公明党の山口那津男代表と会談し、来月にも総選挙を実施する意向を伝えたもよう。直接的な手がかりにはなりにくいものの、アベノミクス長期化への思惑から、日銀の異次元緩和の継続が期待され、円売りが見込まれる。また、英中銀の早期利上げ観測によるポンド・円の上昇などで、クロス円がドル・円をけん引する展開もありうる。
 一方、ロシアと中国の両海軍が本日から開始した合同軍事演習が意識されよう。国連安保理でも両国は北朝鮮を擁護する立場を鮮明にしており、日本海などでの演習から朝鮮半島有事への警戒につながりやすい。このため、リスク回避の円買いも根強いとみられ、ドル・円の上昇は小幅にとどまる可能性もある。(吉池 威)
【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・8月消費者物価指数改定値(前年比予想:+1.5%、速報値:+1.5%)
・23:00 米・9月NAHB住宅市場指数(予想:67、8月:68)
・05:00 米・7月対米証券投資(6月:ネット長期有価証券+344億ドル)