【見通し】週間為替展望(ドル/ユーロ)-日米ともに金融政策は据え置きか

◆日米、ともに金融政策は据え置きへ
◆日銀は物価目標達成時期の見通しを先送りか
◆ユーロ、ECBの追加緩和を織り込むのは時期尚早
(国際金融情報部・堀之内智)

予想レンジ
ドル円 102.50-107.50円
ユーロドル 1.0700-1.1200ドル

10月31日週の展望

 ドル円は下値の堅い展開か。来週は31日から11月1日にかけて日銀金融政策決定会合、11月1日から2日の日程で米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。来月8日の米大統領選挙を波乱なく通過すれば、金利先物市場の動向や最近の米金融当局者の見解を踏まえると利上げは12月に行われる可能性が高い。今回のFOMCはノンイベントで終えることになりそうだが、声明文に12月利上げの確度を高めるような文言が盛り込まれれば、短期的な動意材料とされそうだ。

 日銀会合も現段階では政策の現状維持で市場の見方が固まりつつある。最近の国会答弁で黒田日銀総裁が、追加の金融緩和実施に慎重な姿勢を示していたことも市場の期待を後退させている。会合後に公表される展望レポートでは、消費者物価指数の前年比が「物価安定の目標」である2%程度に達する見通しの時期は、7月時点の「2017年度中」から1年ほど先送りされる可能性がある。これは黒田総裁の任期(2018年4月8日)終了後に目標水準へ到達することを見込んだ予測になるが、そもそも7月時点で2018年度の中心的な物価の見通しが+1.9%と、2%に達していなかったことを考えれば驚きはない。

 日銀が9月に金融緩和強化のための新たな枠組みとして導入した長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)は、今のところ市場に溶け込んでいるようだ。新発10年物国債の利回りは10月以降、おおむね-0.05%付近を中心に小動きが続いている。薄商いながらも株価が上向きに転じるなかで、日銀の柔軟な買い入れが奏功して債券市場が落ち着いている限り、日銀は政策の効果を見極める猶予を与えられたといえるだろう。オペの調整で買い入れ額が減少し、緩和縮小が意識されるとの声も薄れている。

 ただ金利が一定水準でアンカーされている以上、インフレ期待は高まりにくい。今年になってコアの消費者物価指数はじりじりとマイナス幅を拡大させ、日銀が公表する物価の基調も鈍化している。黒田総裁の会見から、今後の物価安定に向けた政策運営の舵取りでヒントが得られるか確認したい。

 ユーロは上値の重さが続くか。域内の景況感は依然として改善傾向にあり、ユーロ圏の10月総合PMIは速報値ベースで昨年12月以来の高水準となった。ハードデータにも大きな鈍化はなく、英国の欧州連合(EU)離脱決定がもたらした負のセンチメントはひとまず払しょくされているようだ。欧州中央銀行(ECB)の意図は読みづらい。ドラギ総裁は突然の緩和終了はないと断言したが、買い入れ期限の延長や枠組みの変更は12月に作成される見通し次第であるとの印象も与えた。追加緩和を既定路線として織り込むには時期尚早か。

10月24日週の回顧

 ドル円は3カ月ぶりの高値となる105円台まで上値を拡大。米国の12月利上げをテーマにした相場はすでに成熟しつつあったが、市場の安定も背景に底堅い地合いが続いた。ユーロドルは1.08ドル半ばで下げ渋り、ユーロ円は114円後半までじり高で推移した。ECB理事会を通過すると、再び主体性に乏しい推移へ回帰した。(了)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ

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